東京都東村山市にある国立ハンセン病資料館に視察に行きました。
国立ハンセン病資料館は、ハンセン病問題に対する正しい知識の普及啓発による偏見・差別の解消及び患者・元患者とその家族の名誉回復を図ることを目的としています。
全国のハンセン病患は1,000人程になりましたが、併設されている全生園では、現在も100人弱の皆さんが生活をされています。
ハンセン病患者の隔離政策が誤っていたとの国の責任が認定され、国家賠償請求が認められたのは、ほんの数年前のことです。
それまで、当事者や家族の方は、長年にわたる差別や偏見に晒されてきました。
ここ全生園は、樹木希林さんの映画「あん」の題材ともなった場所です!!
また、ジブリ映画の「千と千尋の神隠し」における現代社会との隔離生活の描写は、ハンセン病患者を描いたものであるとも言われています。
実際に宮崎駿さんは、度々訪れていますし、何よりも、千と千尋の神隠しの試写会をここで最初に実施した点からも、彼の想いを感じ取ることができます。
ただ、施設を見学しただけでは「可哀想なことがあったんだね」で終わってしまいますが、ここで生活する方々と話して、そんなあまいものではないと感じました。
あと10年もしたら、ここで生活している方々はいなくなっていると思いますが、この歴史を風化させることなく、しっかりと次の世代に伝えていくことが重要だと感じています。
当事者の方々は、自分達が死んだらハンセン病患者の隔離政策という国の過ちがなかったことになるのを危惧しているのです。